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下剤について
2025.01.20
慢性便秘症とは、「体外に排出すべき糞便を充分量かつ快適に排出できない状態が慢性的に続くこと」と定義されています。日本人の約1割が便秘症であると言われています。
便秘の原因が他の疾患や薬剤であるとわかったら、それらに対する治療を行います。明らかな原因がない場合は、生活習慣の改善や薬物治療を行います。
◇生活習慣の改善
運動の習慣、食生活の見直し、十分な睡眠、排便習慣などを整えます。
◇薬物治療
よく使用される下剤についてご紹介します。
薬が腸内の浸透圧を高め、便の水分を増やして排便を促します。
・マグミット
・酸化マグネシウム
市販薬でも販売されていて、広く使用されています。高齢者や腎機能低下している場合は、排泄が遅れることがあるので注意が必要です。
嘔吐や脱力感・傾眠などの症状があらわれた場合はご相談下さい。
一部の薬の吸収を妨げることがあるので、飲み合わせには注意が必要です。
・モビコール
水で溶解して内服します。当院採用のモビコールLDは1包あたり60mLの水に溶解します。しょっぱい味がしますので、気になる場合はリンゴジュース等に溶かすこともできます。
・ラクツロース
・ラグノスゼリー
糖類下剤と呼ばれる薬です。ラクツロースは小腸で分解・吸収されることなく大腸へ 届き、腸内へ水の移動を促します。又、高アンモニア血症の症状改善にも使用されます。
大腸を刺激して腸管の運動を促進し、排便を促します。広く使用されている薬ですが、腸が刺激に慣れてしまうため、できるだけ頓用や短期間の使用をお勧めします。
・プルゼニド
・センノシド
赤やピンク色の錠剤です。尿が赤くなることがありますが、問題はありません。
・ラキソベロン
・ピコスルファート
錠剤と液剤があります。コップ1杯の水に滴下して、1日1回寝る前に服用します。1本10mLは150滴分で、5滴で錠剤1錠分に相当します。お茶・オレンジジュース・牛乳と混ぜても大丈夫です。
・アミティーザ
1日2回食後に内服するカプセル剤です。小腸に働きかけて水分の調整をする事で排便を促します。頓用で飲むより定期的に飲む必要がある薬です。
・リンゼス
1日1回食前に服用します。食後に服用すると下痢が起りやすい為、必ず食前に服用して下さい。吸湿・乾燥を防ぐため、服用直前にシートから取り出します。
・グーフィス
1日1回食前に服用します。食前に服用するのは、胆汁酸に作用する為、食事の前に服用する方が効率よく効果が発現するからです。
・大黄甘草湯
・麻子仁丸 …などの漢方薬もあります。
センナやダイオウを含んだ下剤は、妊婦又は妊娠の可能性のある方は服用を控えてください。