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メディカルコラム
外来ミニ講座(コラム)
マイコプラズマ肺炎大流行の背景とは?
2024.12.02
マイコプラズマ< Mycoplasma >は非常に小さい微生物で、その大きさは細菌とウイルスの中間ぐらいとされています。
細胞壁がなく、ヒト細胞内に侵入する性質があるので、一般によく使われるペニシリン系やセフェム系の抗生物質が効きません。肺炎や尿道炎、膣炎などを起こしますが、最近マイコプラズマによる肺炎が非常に多く発生しています。
もともと4年周期で流行する傾向があり、夏のオリンピック開催年と一致していたため「オリンピック肺炎」などと呼ばれることもありましたが、1984年(ロサンゼルスオリンピック開催年)と1988年(ソウルオリンピック開催年)に大きな流行があってからは、4年ごとの周期はやや崩れつつありました。
2020年は東京オリンピック開催年(コロナのため延期)でしたが、このときはほとんど流行がありませんでした。コロナ対策がマイコプラズマ肺炎の予防に役立ったものと考えられます。その4年後が今年にあたり、大規模な流行になっています。これは「もともとの4年周期が復活した」と見ることもできますが、それ以上にコロナが5類になって「マスク・手洗い」が若干疎かになったことが大きく影響しているのでしょう。
マイコプラズマの感染力はコロナやインフルエンザよりも弱いです。マスクと手洗いを励行することで感染を防ぐことができます。今一度、感染対策を実践しましょう。