外来ミニ講座(コラム)
健康は腸内環境から!

2024.07.01

近年、「腸活」という言葉を耳にする機会が多くなっていると思います。
それほど腸を健康にすることが重要視されているからです。
     
毎日、自分の便の形や色を観察していますか?
黄色か黄褐色で太い、バナナのような便が理想的です。便の異常は、身体の不調のサインとも言えます。
大腸は病気の発生源といわれていて、腸内細菌が作った有害物質(特にがん物質)が発がんを促進したり、直接大腸の病気を引き起こします。また、有害物質が粘膜や血流を介して全身をまわり病気に関与してしまいます。

わたしたちの腸内には1000種類以上の腸内細菌が600~1000兆個も生息し、集まりになっています。
これを腸内細菌叢と言い、腸内フローラとも呼ばれています。
善玉菌が2、日和見菌が7、悪玉菌が1のバランスが理想とされています。
日和見菌は、善玉菌と悪玉菌のどちらか多い方に加担するので、悪玉菌が多くなると悪さに加担してしまいます。
         
善玉菌は加齢とともに減少するため、「善玉菌を増やすこと、減少させないこと」が大事になってきます。

腸内細菌叢のバランスが崩れると(悪玉菌が増えると)、がん・糖尿病・メタボ・老化・うつ病・認知症などの病気を引き起こすことが分かってきました。
      
大腸は栄養を吸収しきった食べかすの終着場で有害物質がいっぱい。
長く停滞していると腸から吸収され、全身の病気の原因になります。だから便秘は避けたほうがいいのです。
一方で、ウイルスや癌細胞を攻撃したり、身体を守る免疫細胞を作るのも腸。
小腸・大腸合わせて身体の70%の免疫細胞が集中し、小腸は「免疫の司令塔」ともいわれます。この小腸の免疫機能を正常に働かせるには大腸の善玉菌が不可欠です。

ここまで読んでいると、腸内環境を良くしたくなってきましたね!
腸内環境を良くするには、
「善玉菌自体を身体に入れる」+「善玉菌のエサを入れて善玉菌を増やす」
これを食事で行うことです。

<善玉菌>
①乳酸菌=味噌・キムチ・チーズ・乳酸菌飲料
②ビフィズス菌=ヨーグルト(ビフィズス菌入りと記載があるもの)
③麹菌=塩麹・甘酒
④納豆菌=納豆
⑤酪酸菌=ぬか漬け 
※味噌・キムチ・塩こうじ・ぬか漬けは塩分過剰になるので注意しましょう

<善玉菌のエサになるもの>
①オリゴ糖=オリゴ糖、たまねぎ、バナナ、はちみつ大豆製品など
②水溶性食物繊維=大麦・海草・こんにゃく・柑橘類・ねばねば系食品(オクラ・なめこ・めかぶなど)
③糖アルコール=メロン・梨・きのこ類・味噌・ワイン・はつみつ・さとうきびなど  
④レジスタントスターチ=玄米・ライ麦など
※なんでも食べすぎは悪影響にもなるので、摂取量には注意しましょう
      

善玉菌を補い、善玉菌を育て、腸内環境の改善につながります。
腸内環境は2週間で改善すると言われています。まずは2週間取り組んでみましょう!
      

善玉菌が増えたはずなのに便秘が改善されない場合は、水分不足と運動不足も考えられます。便通に水分は1日1.5L必要ともいわれます(心臓病などで制限されている場合は除く)。また、歩かないと腸の動きが悪く便秘傾向になります。1日6000~7000歩を目標に歩いてみましょう。