外来ミニ講座(コラム)
低栄養を助けるMCTオイル

2024.06.03

オイルと聞いて、何を思い浮かべますか。
そんなイメージが強いかもしれません。
確かにオイル(油)は他のタンパク質や炭水化物に比べて高カロリーです。
MCTとはココナッツやパームフルーツなどに含まれる植物由来の成分で、母乳や牛乳などにも含まれています。


一般的な油(LCT)は体に入るといったん体内で貯蔵され、必要に応じてエネルギー分解されますが、MCTは素早く消化・吸収され、エネルギー分解されるという特徴があります。

その早さは一般的な油の4倍です! つまり、効率よくエネルギーを摂取することができます。
食欲が落ちて沢山食べられない。体重が減ってきた。そんな所から低栄養となり、サルコペニアフレイルを引き起こす原因となってしまいます。

サルコペニア・・・筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態
フレイル  ・・・加齢に伴い身体の予備能力が低下し、健康障害を起こしやすくなった状態

必要な栄養量を確保するため、MCTオイルの利用をお勧めします。
MCTオイルは揚げ物や炒め物など直接加熱することが出来ませんが、ほぼ無味・無臭のため、食事にかけたり混ぜたりするだけで、食事のボリュームを増やすことなく簡単にエネルギーをアップすることができます。
具体的には、お粥や汁物、飲み物、ヨーグルトなどに小さじ1杯程度混ぜることで、バナナ半分と同等のエネルギーがプラスになります。 MCT摂取により、筋肉増加、握力や歩行速度が向上したといった研究結果もあり、 当院でも栄養状態の維持や改善を目的に、入院中の患者様の御食事に利用することがあります。

いつも使う油より少し高価にはなりますが、低栄養予防・対策に、MCTオイルをご検討ください。