耳鼻咽喉科からの耳よりな話「耳の腫瘍~聴神経腫瘍について」

2023.02.10

難聴を自覚していても医療機関を受診しない人は約6割余ということがある調査*で分りました。

「そんなに困ってないし...。」

「少し聞こえにくいけど病院に行くほどでもないだろう。」

「どうせ歳の難聴だろう。」

などと様子を見られているのかもしれませんが、念のため耳鼻科で聴力検査を受けることをお勧めします。 難聴の原因は色々ですが、ひとつに聴神経腫瘍という耳の神経にできる良性の腫瘍があります。 耳鳴りや徐々に進む難聴が症状です。良性ですが大きくなるとめまいや顔面の痺れ、頭痛、顔の麻痺などが出現し、かなり大きくなると脳幹を圧迫し生命に関わることもあります。 徐々に聴力が悪くなるところが加齢による難聴に似ています。加齢性難聴は両耳が同じように聞こえにくくなっていきますが、聴神経腫瘍の多くは片耳だけが悪くなります。 また稀ですが突発性難聴の中にも聴神経腫瘍が隠れている事もあります。 聴力検査で疑わしい場合は、耳のMRIを撮れば診断できます。

*「日本補聴器工業会」など JaPanTrak2022調査報告(2022年・95歳までの約14000人対象)